化石や古生物について、勉強をしたい方は、色々な方法があります。また、勉強をしたい方の動機も様々だと思います。たとえば、「テレビやインターネットなどで化石や古生物が話題に挙がり、より詳しく知りたい」、「博物館に行って、化石に興味をもった」、「化石を採集したので、化石の鑑定をしてみたい」、そして、「大学・大学院で化石の勉強・研究をしてみたい、古生物学者になりたい」などです。
これらについて、おもに3つレベルから、方法をご紹介したいと思います。
大学や大学院に所属して専門的に勉強する
この方法は、小中学生の方は年齢的にすぐに実行するのは難しいですが、高校以上の大人であれば参考にしてください。一度大学を卒業して現在働いておられる方でも社会人入学することは可能です。とくに最近多い例として、定年退職された方が大学あるいは大学院に入学され、さらに博士課程にも進み、学位を取得される方もいます。この方法では、大学4年間、大学院修士課程2年間、大学院博士課程3年間という長期にわたり、勉強と研究ができますが、入学料や授業料などが必要になりますし、もちろん時間も必要になります。
以下に国内の大学と大学院をご紹介します。実際に入学して勉強したいという方は、これらの大学のホームページを閲覧したり、知り合いに聞いたり、友の会に問い合わせをしたりして、そこでどのような研究をしているのかを調べてみましょう。
大学・大学院で古生物学を専攻した人からのコメント
辻野泰之(徳島県立博物館):子どものころ、生き物の観察や採集が好きで、博物館にもよく足を運びました。高校生の時に今後の進路を決める際、太古の生物の勉強や研究がしたいと思い、大学を選びました。当時まだインターネットなどが普及しておらず、書店で売っている大学紹介の書籍から、古生物学を勉強できる大学を探しました。大学では、中生代の二枚貝化石の研究をし、その後、アンモナイトの研究がしたいと思い、大学院から別の学校へ移りました。現在もアンモナイトの研究を続けています。
博物館での展示見学やイベント参加、学芸員の方に直接教えてもらう
この方法は、お住まいの近くに博物館がある方におすすめです。各都道府県に1つは自然史分野をもつ博物館があります。これらの博物館には、地質学や古生物学を専門とする学芸員の方がいる場合が多いです。地域の博物館の学芸員であれば、地元の化石についての情報をたくさんもっていると思います。また、博物館では、化石採集会や化石レプリカ作製教室、古生物学についての講演会などの色々なイベントを開催していることが多いので、これらのイベントに参加して勉強したり、学芸員の方とコンタクトをとったりしてみては、いかがでしょうか。
専門書を手に入れて、自分で勉強する
この方法は、周囲に大学や博物館がなく教えてもらえる人がいない場合や、どうしても自分の力で解決したいという方に最適です。最近は、化石や古生物学についての本や図鑑がたくさん出版されてきています。一般普及書は、化石の入門書としては適していますが、より詳しく勉強したい方にとっては、専門書で勉強することをおすすめします。ただし、これらの専門書は、一般書店で取り扱いが少なく、また高額である場合やすでに絶版になっている場合もあります。その場合は、まず地元の図書館や博物館に訪れ、司書や学芸員の方に聞いてみましょう。
以下に自分で勉強したいという方に本を紹介いたします。また、この本はよかった、という皆様のお薦めの本がありましたら、友の会宛までお知らせください。